0と1と100(下)

 鉄道ファンには「1」という数字に惹かれる人が多い気がする。その「1」が消えようとしている。
 東京駅から出発する列車番号「1」――18時03分発の寝台特急富士・はやぶさ」だ。話の順番が大いに前後するが、私は今回、この列車に乗って東京を後にした。ちょうど私が乗る直前に、来春のダイヤ改正での廃止が新聞で報じられ、東京駅にはファンが詰めかけていた。

 この列車は朝、下関で機関車を付け替え、門司でもう一度付け替えると共に切り離し作業を行う。

 私が乗ったのは大分行きの「富士」。伝統あるヘッドマークだが、傷みが激しい。

 門司で切り離された熊本行きの「はやぶさ」を別の日に撮ってみた。こちらは列車番号「41」。
 JR4社にまたがる東京〜九州の寝台列車は、民営化から22年で姿を消すことになりそうだ。長距離の移動は飛行機や新幹線ばかりの今の時代、私も寝台列車には数えるほどしか乗ったことがない。だが、九州生まれ東京在住の私にとって特別な存在であることは間違いない。0系新幹線に続いて、かつての花形列車が歴史の闇の中へと消えていく。そのことが残念でならない。