走り続ける

 6月になった。今月も中央線の201系は走るのだろうか――そんな不安を胸に早朝の豊田へ行ってみると、すでにH7編成の姿はない。途中ですれちがってもいないと思うので、朝一番の山登りに出かけた可能性が高い。そう思って、とりあえずは隣県の政令指定都市で様子を見ることにしてみた。案の定、緑豊かな山線の彼方からH7が姿を現した。

 午前中は高いところから中央線を見下ろすべく、都庁に行ってみた。冬場のようにすっきりとは見えないのが残念ではあるが、やはり全身オレンジ色の10両編成は、ビル群の中でも堂々たる存在感を放つ。

 ラッシュ時間帯に発生した遅延で運用が変わったりもしたが、結局夕方は朝と同じ運用で豊田から出てきた。

 この季節にしか走行が撮れない夕方の「通勤快速」。去年は仕事の都合などでほとんど撮る機会に恵まれなかったが、今年も撮ることができたのは正直言って予想外で、大きな収穫だった。

 「東京」というシンプルな行先表示を掲げて、ひた走るオレンジ色の電車。その「年貢の納め時」がすぐそこまで迫っているのはわかっている。しかし、私にはどうすることもできない。とにかく自分なりの手段で記録して、その雄姿を心に刻むだけだ。今月も多忙な日々になりそうだが、時間の許す限りそれをやりたいと思う。

 夜は青梅行きの最終電車で下っていった。本当は青梅で夜を過ごすのもずっと見つめていたいけれど、なかなかそうもいかない。また、あすの朝に元気な姿を見るのが楽しみだ。