その日まで

 山から下りてゆく君を小高い丘から見下ろしてみたり――

 夜の駅に進入する君をカーブの先で待ち構えたり――

 深夜のお濠端にたたずむ君を遠くから見つめていたり――

 今夜のねぐらに向かう君を、家の近くで見送ったり――

 どんな形で君を見ていても、まだ信じられない。君が中央線を去る日が、すぐそこに迫っているということが。