最後のお別れ

 長野では201系H4編成の解体がすでに始まっているという噂が聞こえてきて、居ても立ってもいられなくなった。さいわい日が傾く前に仕事場を出ることができたので、新幹線に乗って長野総合車両センターを再訪した。

 周囲は209系にブロックされていて全体像は見えない。しかし、残っている車両の姿と、オレンジ色の残骸の双方が見える。

 今月に入ってからも元気に走る姿を見たばかりのH4。その変わり果てた姿を見るのは悲しいが、これが現実だ。それを受け入れるためにも、解体途中のタイミングで長野に行くことができたのは不幸中の幸いだと思う。

 さよなら、ありがとう、H4。最後のお別れを告げ、長野には2時間弱の滞在でとんぼ返り。「あさま」の車内で熟睡して上野の手前で目を覚ますと、神田から東京まではH7と並走。東京駅からH7に乗って帰ってきた。

 僚友・H4がこの世から消えても、まだまだH7は中央線を走り続けている。