窮余の策(※一部を追記)

 先週土曜日の事故で10号車の前面が大きく破損したE233系H52編成が、きょう運用に復帰した。ただし、破損した10号車のみH44から借用している。E233系で編成の一部車両のみを切り離して組み替え、営業運転に充当したのは、これが初めてと思われる。

【←高尾】                 【東京→】
10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車
クハE232
  -44
モハE232
  -610
モハE233
  -610
クハE233
  -510
クハE232
  -510
モハE232
  -252
モハE233
  -252
モハE232
  -52
モハE233
  -52
クハE233
  -52
川重 東急 東急 東急 東急 東急 東急 東急 東急 東急

 きょうは一部の電車を運休にするか、何か裏技を使わないと車両が足りなくなるのはわかっていたのだが、10号車だけ組み替えてくるというのは意外だったので朝ラッシュ時に初めて見たときはかなり驚いた。

 10号車は「H44」の表記のまま。あくまで一時的な「緊急避難」ということだろう(写真左が上りの610H快速東京行き、右が下りの811H快速豊田行き。以下の写真はすべて811H)。

 連結部の妻面を見ると、異なる工法で造られた車体の違いがよくわかる。左が川崎重工製の10号車(H44)、右が東急車輛製の9号車(H52)。

 そして、その下の方には、それぞれのメーカーの銘板も。これが一番わかりやすい証拠かもしれない。
 この組み換えをやらなければ運休が出てしまうとはいえ、この状態に至るまでの作業には大変な不安と苦労を伴ったことだろう。現在の中央線の車両不足は、災害や事故など不運が重なった半面、必要以上にE233系への置き換えを急いだ経営判断にも問題があるのは否めない。そんな状況のなか、こうして必死で毎日の輸送を支えてくれている現業機関の方々には、本当に頭が下がる。